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女坂
【めさか】


神武東征伝承に見える伝説的坂名。神武天皇は菟田の高倉山から国見をすると,国見丘に八十梟師がおり,女坂に女軍,男坂に男軍を置き,墨坂に焃(おこし)炭が置いてあるのが見えた。女坂・男坂・墨坂の名はこの故事にちなむと伝承される。女坂の比定地について「大和志」は現在の宇陀郡大宇陀町上宮奥付近に比定する。また,「大和志料」は大宇陀町宮奥から宇陀川に沿って桜井市針道に至る際に越える大峠(針道峠,標高776m)への坂路をあてる。なお,「地名辞書」は現在の榛原(はいばら)町荷阪に比定し,「大宇陀町史」は現在の大宇陀町麻宇田にある女寄峠(標高388m)とする。女寄峠は明治21年の道路改修により,半坂越の小峠(標高433m)の交通量をしのぐ,桜井~大宇陀間の幹線路となり,現在は国道166号が通じている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7169810