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吉隠山
【よなばりやま】


「大和志料」に「猪飼山は吉隠山の支別山なるべし」とあり,吉隠山の存在が記されているが,猪飼山・吉隠山ともにその位置を特定できない。吉隠の吉は美称で,隠はいわゆるニヒバリ(新墾)で,開拓地の地名といわれている。本居宣長も「菅笠日記」で吉隠について記しているが,この地に猪養の岡およびその存在が伝わる但馬皇女(天武天皇の皇女)の御陵も確認できないことを述べている。「大和志料」は式上郡初瀬町(現桜井市)吉隠にあるとするが,吉野郡吉野町菜摘(夏身)をヨナバリと解釈する説もある。「ふる雪はあはになふりそ吉隠の猪養乃岡の寒からまくに」と詠んだ穂積皇子の歌碑が吉隠に建てられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170085