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会津川
【あいづがわ】


明治中ごろまで田辺川とも呼ばれた。田辺市の右会津川が左会津川に合流する地点から田辺湾に至る流路の通称名。流長1.5km。なお行政上は,左会津川の一部として扱われる。名刹高山寺のある丘陵下で,延長約5kmの稲成(いなり)川が当河川に合流する。川幅は狭く,河口付近に江川橋が架かる。同橋は慶長年間にはすでに架橋されており,江戸期の「名所図会」にみえる同橋は長さ48間・幅2間。かつて田辺市民の上水道は左会津川・右会津川合流点の地下水に頼っていたが,市民の増加で水不足をきたし,現在,相当量を西牟婁(にしむろ)郡上富田(かみとんだ)町から供給している。なお,「明月記」建仁元年10月12日条に見える「田辺河」,足利義満側室一行の「熊野詣日記」応永34年9月26日条に見える「七瀬川」は,この会津川のことと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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