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雨引山
【あまびきやま】


伊都(いと)郡かつらぎ町山崎に位置する山。標高504m。紀伊山地の最北部,南は天野盆地を経て高野山に連なり,北と東は紀ノ川およびその支流である丹生(にう)川に急斜面をもって臨む。ふもとから標高300m付近までは当地特産の温州ミカンの畑地として利用され,頂上付近はスギ・ヒノキが生い茂り,ヘルメット状の形を呈する。頂上から眼下に紀ノ川平野を見下ろし,北部には和泉・葛城・金剛山脈を眺められる。もと大日山と呼ばれ,頂上には大日如来像が祀られ,毎年4月に高野山の先達僧が護摩修行を行ったと伝える。古くは雨壺山ともいわれ,「名所図会」に「雨壺山……石の壺あり。方一間ばかりの蓋あり。是とれば必大雨すとなん」とあり,ここで火を焚いて雨乞をしたともいう。今も雨引山に雲がかかると雨になるとされ,周辺地域の人々の天候予測の目安となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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