100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

岩神峠
【いわがみとうげ】


岩上峠とも書く。西牟婁(にしむろ)郡中辺路(なかへち)町にある峠。標高約670m。熊野街道で第一の険路である。熊野街道は小広峠を下り,草鞋(わらじ)峠(約630m)を越え,栃ノ河を渡り,さらに当峠を越えて道湯川へ下り,湯川王子から三越峠へと向かう。峠の北側には岩神王子跡がある。草鞋峠の下りを女坂,当峠の上りを男坂といい,合わせて女夫(めおと)坂と呼ばれた。そして,中間の栃ノ河には江戸期仲人(媒介)茶屋という茶店があった。明治以後,道湯川への道は約600m南の新岩神峠(国土地理院発行2万5,000分の1地形図に岩上峠671mとある)を通るようになり,本宮(ほんぐう)への道も現国道311号のように熊瀬川,四村川に沿って湯峰に下るようになったため,古道は廃道となった。昭和46年の西律氏の踏査により付近の古道と王子跡が明らかになり,現在は整備されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170511