100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

宇津木坂
【うつぎざか】


佐本往来ともいう。西牟婁(にしむろ)郡日置川(ひきがわ)町宇津木から上富田(かみとんだ)町生馬(いくま)に至る坂。日置川水系と富田川水系の分水嶺(543m)を通る。明治34年の「生馬郷土誌」には「鳥淵ヨリ分岐シテ東南ニ向ヒ宇津木ノ嶮路ヲ越エテ川添村宇津木ニ至ル……坂路以外ハ車馬ノ通行亦便ナリ」とあり,坂路は急坂で徒歩でしか通行できなかった。古来田辺・佐本往来として重要視され,安藤帯刀の田辺領の飛地向山・里谷・宇津木・玉伝(たまで)・神宮寺の各村への主な通路でもあった。特に宇津木・玉伝は田辺領との交流に当坂を使用したという。明治39年まで県道古座街道で,それ以後古座街道の基点は周参見(すさみ)になった。現在林道として使われている。生馬側は払合林道として長さ1,800m・幅員3.6mに改修されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170594