100辞書・辞典一括検索

JLogos

23

葛城山
【かつらぎさん】


那賀郡那賀町の北部に位置し,大阪府との境界をなす和泉山脈の主峰。葛木山とも書き,葛峰ともいう。標高858m。「万葉集」・記紀で知られる大阪府・奈良県境の葛城山と区別して和泉葛城山ともいう。紀伊・和泉国境の最高峰。現在,山頂は那賀町と大阪府岸和田市・貝塚市との交界点となる。隆起準平原の面影を残す山頂部の平坦な山背に広がるススキ原は紀泉高原とも呼ばれ,昭和33年4月指定の紀仙郷県立自然公園の一角をなす。頂上部には,雨乞の神八大竜王を祀る竜王神社(岳玉神祠とも)がある。平安初期修験道の開祖とされる役行者が開いたという葛城修験の行場二十八宿のうち,第9滝の宿にあたると「葛嶺雑記」「葛木縁起」に記されている。享保年間,岸和田藩主岡部氏が寄進した石祠(石の宝殿)がある。山頂から大阪府側の北面一帯約8万m(^2)には,大正12年3月に国天然記念物の指定を受けたブナ林が広がる。低山地に自生するブナ林の南限をなし,学術上重視される。山体は中生代白亜系に属する和泉砂岩を主に構成される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7170992