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株井峠
【かぶいとうげ】


日高郡中津村高津尾と姉子の間にある峠。標高250mの低い峠であるが,海岸地区から山間地区に入る峠として重視された。日高川は中津村姉子から南流し,大きく川中地区を迂回して柳瀬から北流して,峠の西口である高津尾に流れている。峠はこの姉子~高津尾間の断層線谷を利用して直線に結ぶ最短路である。近世初期から峠道が開かれ,人および物の交通路として利用された。江戸後期は駄馬による物資の輸送が行われていたようで,長子八幡の絵馬にも描かれたりした。大正11年峠下に隧道工事が始まり,昭和3年完工。トンネルの完成により自動車が通じるようになった。御坊(ごぼう)~川上間にバス・トラックが往来し,奥地の林産物,海岸部の建築資材,日用品が大量に運搬できるようになり,奥地山村開発に大きな影響を与えた。昭和44年3月改修工事完成,従来4mのトンネル内の幅員を7mに拡張した。峠を境に,天候・気温・積雪など気候に違いがあり,果樹農作物の作目も異なっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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