100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

切目辻
【きりめつじ】


日高郡の南部川(みなべがわ)村と龍神村の境にある峠。龍神村福井から切目辻を越えて南部川村清川に通じる道路は,奥日高から海岸地方に出る重要な交通路で,物資および人の往来が盛んであった。切目辻の名義は未詳だが,一説によると江戸期に切目川上流上洞(かぼら)から登り,峰伝いに東に通る山路を切目畝越えといい,その昔大塔宮が切目王子から十津川落ちした道と伝えられていた。切目辻はこの切目畝越えの東端にあり,山路郷への降り口にあった。また,近世には殿原の谷口(龍神村)から笠塔山を越えて,栗栖川荘兵生(ひようぜい)村(現中辺路(なかへち)町兵生)に至る山道があり,奥日高から中辺路に越える重要路であった。「続風土記」小松原村の項に「笠塔山,村の北にありて峰まて登り一里許」とあることから,小松原,中川を通り栗栖川に至る生活道でもあったことが推定できる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7171324