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護摩壇山
【ごまだんさん】


護摩ノ壇山ともいう。日高郡龍神村と奈良県吉野郡十津川村にまたがる山。標高1,370m。県下最高峰である。日高川の水源地で,紀州の屋根と呼ばれる。山名の由来は,「続風土記」によれば,「昔小松惟盛逃れて此に隠れ住み山上に登りて護摩を焼き身の浮沈を卜せしに,煙高くあからさりしより意を決して在田郡奥上湯川村に潜居せしとそ。護摩壇は其護摩を焼きし所なりと云ふ」とある。地質は中生代白亜紀層。山名のごとく山頂に平坦面があり,紀伊山地がかつて準平原であった時の平坦面が,その後の曲隆運動によって隆起した遺物である。山腹以下はその後の浸食作用によって,小森谷・五百原(いもはら)谷・野々原谷(十津川支谷)の険しい渓谷が生じ,赤坪・白坪・お万ケ淵や,衛門・嘉門・越戒ノ滝など平家伝説ゆかりの急流を作る。「名所図会」によると,近世高野山大門から六里峰の峰続きを護摩壇山に至り,竜神温泉に下る道があり,大坂道として参詣客・湯治客に利用された。現在は高野竜神スカイラインが開通し,付近は高野竜神国定公園に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7171610