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蔵王峠
【ざおうとうげ】


伊都(いと)郡かつらぎ町大畑と大阪府河内長野市滝畑との境にある峠。標高552.8m。古来紀伊と河内との交通上重要な峠として知られる。近世峠に関所があり,和歌山藩が鉄砲を据え通行人を取り調べたという。現在峠には車道が通じ,昔日の面影はない。南に高野連峰を望み,紀ノ川の清流を眼下に,遠く西には紀淡海峡を望むことのできる地である。近くの堀越観音参詣など最近ハイキングコースとして自然の憩いの場として利用されている。「葛嶺雑記」に,「蔵王権現 ざわう峠の山原にあり。本社 脇に石像神変大士 その前に蔵王山五仏院としるせし古代の石とうろうとあり 四五丁ゆきて左りの山に丹生明神 脇に一言主神」とある。「続風土記」に「蔵王権現社 境内十四町 蔵王峠にあり。森広くして社は小祠なり。雑樹繁茂し甚物凄し。森の中に蛇穴というあり。今里人 神を蛇王権現といい,峠を蛇尾峠と呼ふは,皆蔵王の称より転して蛇穴のあるによりて誤りしなり」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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