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汐見峠
【しおみとうげ】


海南市且来(あつそ)と井田との間にある峠。標高約50m。県道秋月海南線が通る。熊野街道の道筋に当たり松坂王子跡と松代王子跡の間に位置する。峠名は雄ノ山を越え,はじめて海を間近に眺めることができたことにちなむといわれる。しかし,現在では入江が後退したため,海は見えない。峠道の坂の途中には石地蔵が祀られ,呼び上げ地蔵の口碑伝説がある。口碑によれば,安政元年の大地震の際峠から霊光がさし,地蔵が現れ,逃げ場を求めていた人々を呼び上げて命を救ったという(海南郷土史)。また,坂の上の池は神武天皇が名草戸畔(なぐさとべ)の軍勢と戦い土蜘蛛を討ち取ったという伝説にちなんで,くも池と呼ばれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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