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鹿ケ瀬峠
【ししがせとうげ】


日高郡日高町原谷と有田(ありだ)郡広川町河瀬(ごのせ)の境にある峠。標高360m。熊野御幸道(熊野街道)の難所の1つであった。峠付近は今でもイノシシの好猟場である。元和年間のころから峠に茶屋があって300年間営業を続けていたが,廃道後なくなった。今も茶屋跡を示す石垣と平坦面が何か所も残るが,ほとんど黒竹林となっている。峠の近くに小峠がある。道の両側に石垣の一部が残り,その上に平坦面がいくつか乗り,茶屋跡であることがすぐわかる。カキ・ビワなどの果樹やバレンも植えられていて,人が住んでいたことを物語る。明治19年の記録では原谷村の戸数138戸であったが,明治21年には116戸と22戸も減っている。通行人の減少で店じまいした家も多かったのではなかろうか。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7171808