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城ノ森山
【しろのもりやま】


蛇喰ノ森(じやくいのもり)ともいう。西牟婁(にしむろ)郡上富田(かみとんだ)町と白浜町にまたがる山。標高371m。新生代第三紀田辺層群の泥岩層からなる。「生馬村郷土誌」によれば,当山は富田川近郊の名山で,田辺近海の航海者の目標となっていたという。山頂には蛇喰城址がある。蛇喰城は市ノ瀬竜松山に本拠を置き,天正13年豊臣秀吉に滅ぼされた山本氏の出城の1つ。城の東は絶壁で,西側の緩斜面には土塁を配している。標高300m以上の山城は紀南では珍しく,山本氏と,日置(ひき)に本拠をもつ安宅氏との領境であったため城をめぐる攻防の歴史が語り継がれる。近くの浄土宗大貴山観音寺は蛇喰城主山本兵部の菩提寺(生馬村郷土誌)。近世以降薪炭林の産地であったが,現在杉・檜の人工林が広がり,山頂からの眺望はそれに遮られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172024