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高城山
【たかしろやま】


有田(ありだ)郡広川町と湯浅町の境界にある山。標高136m。大部分は中生代の石英質のアルコーズ砂岩および頁岩で北部は一部頁岩および砂岩で構成される。東部は峰伝いに地蔵峰(411.6m)から遠く白馬山(957.3m)に連なる。北部は湯浅平野を隔てて長峰山脈を望み,南は広川平野から広川および鹿ケ瀬(ししがせ)の山々が望まれ,西は広川を挟んで,湯浅・広川の町並みから湯浅湾一帯を眼下に収め,北・西・南の三方に視界が開ける。山麓には,中世以降熊野御幸路として利用された熊野街道が走り,早くから軍事上要害の地として重要視された。室町期の応永7年紀伊国の守護職が畠山氏の手に移ると畠山基国が高城を築いたという。同城はふもとの地名をとって名島城とも,畠山氏の居館が広浦に構築されたので広城ともいった。城域は,現在ではほとんどが開墾されて畑になり,瓦の破片や土器破片,井戸の跡や戦死者の板碑や墓石が時折出土するほか横濠,天守台や本丸・二の丸等の跡がわずかにうかがえる程度である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172286