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出屋敷峠
【でやしきとうげ】


伊都(いと)郡高野町上筒香の南東端,奈良県大塔村との境にある峠。標高656m。県道阪本五条線が通過しており,大塔村阪本で国道168号に接続する。「続風土記」に「富貴を過きて水呑峠より天ノ河辻に至るを橋本辺より熊野へ行道筋とす因りて道も広く宜し天ノ河辻より先は牛馬通し難しといふ」とあり,富貴越え熊野街道は東富貴から富貴辻(水呑峠680m)を越え天辻に達したが,明治14年阪本から富貴を貫き,奈良県坂合部村および本県伊都郡恋野村まで改修され峠に荷車が通るようになった(富貴役場前開道記念碑)。その後大正末期には自動車が通行するようになり,昭和4年県道に昇格した。文久3年五條の代官所を襲った天誅組(倒幕尊攘論者一党)が天辻に本陣を置き富貴に侵入した時,これを討つために九度山から丹生(にう)川筋に沿って富貴へ進出した和歌山藩兵が在陣したところといわれるが不詳である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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