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鳥屋城山
【とやじょうざん】


有田(ありだ)郡金屋町にある山。標高300m。長峰山脈の1支脈が,北の伏羊二川断層と南の金屋長谷川断層間を,清水町二川付近から西走し,金屋町中井原で平地に連なる所にある。山頂からは有田川・有田平野を一望でき,古来軍事上要害の地として重視された。鎌倉期~南北朝期にかけて,有田の地で覇権を握った湯浅宗重の孫宗基が石垣城を築城したという。室町期の応永8年,紀伊国守護畠山基国の弟満国が同城跡に外山城を築き,以後外屋(とや)城・鳥屋城と称され,天正13年の豊臣秀吉の紀州攻めに至る180余年間,畠山氏の居城となったと伝える。山頂には,本丸・二の丸・三の丸跡の他,石垣・濠の跡・井戸の跡が残り,本丸跡付近には洞窟があり,近くに一石五輪の墓碑が2基残る。数年前まで,本丸跡付近に3本の大きな老松があり,県天然記念物に指定されていたが,マツクイムシによって枯死した。当山一帯は,鳥屋城層と呼ばれる日本の白亜紀を代表する有名な地層で,厚さ1,100mにも達する。この地層は,泥質細砂岩または細砂質泥岩で構成され,団塊を多く含み,アンモナイト類,イノセラムシ・トリゴニア・ウニ等の標準化石に富んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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