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長峰山脈
【ながみねさんみゃく】


「続風土記」に「長峰とは,東は大和ノ国に起りて西は海部ノ郡に至りて海に入る連峰をいふ」とあり,紀伊半島北部の高野山付近から,有田(ありだ)郡と海草郡・海南市の境を西走し,貴志川と有田川の分水嶺をなし,海草郡下津町で紀伊水道に没する山脈。標高は約800~900m。地形は一般に緩傾斜で集落はかなり高地にまで立地し,鞍部には,東から竜神街道の遠井辻(といつじ)峠,伊勢街道の白髪(しらが)峠,熊野街道の藤白峠等がある。昭和59年海岸線を走る国道42号のバイパスとして,阪和自動車道の延長上に,長峰山脈を掘削して,一般有料道路海南湯浅線が開通した。トンネルの総延長6,883mは,自動車道としては神戸トンネルに次いで国内第4位。地質は,中・古生界の無点紋結晶片岩からなる。主峰は生石ケ峰(おいしがみね)(870m)で,付近一帯は,前浸食輪廻に属する平坦面が残存し,ススキ原となり,眺望絶佳で生石高原県立自然公園の指定を受けている。支脈の藤白山脈中に室町期から南北朝期にかけて紀州を支配した守護畠山氏の大野城がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172720