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名草浜
【なぐさはま】


和歌山市南部にある海岸を指す。昔は西国三十三か所第2番札所の紀三井寺のある名草山の市内北部三葛から,南部は布引・毛見へかけての呼称として使われていた。現在,地形図(2万5,000分の1)には,毛見付近の浜を該当地としている。また「類字名所集」に「昔の地形は今と異なり,三葛・紀三井寺は浜海の地で,名草山々麓にある現紀三井寺付近は,宝亀元年本寺を開創した。当時は山下の地形が今と異なり,現在の山麓集落地は入海の浜辺りで,その後,三葛から布引にかけて遠干潟・塩用となった。本寺に来るには,和歌浦妹背から舟で中央の川を通じて山門に至った」と述べている。このことから,名草浜は北の名草山,南の船尾山系の間にある浜辺一帯を指して呼ばれていたことがわかる。現在では名草浜という名称は一般に使われていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172762