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那智川
【なちがわ】


東牟婁(ひがしむろ)郡那智勝浦町の北部を流れる2級河川。流長約9km,河川箇所表による総延長7km。那智山中の水を集め,市野々・井関・川関などの沖積地を南東方に流れ,天満地区で那智湾に注ぐ。上流は峻険な地勢で流れは早く,山中には那智の滝(那智大滝)をはじめいわゆる四十八滝がある。水源地周辺の山岳地以外は屈曲に乏しく,緩流であるが,水深が浅く舟運はなかった。古くは熊野那智大社への参詣者が市野々の二瀬橋付近で水垢離をとったといわれる。天満の河口はかつては深く,大型帆船の港であったが現在では面影はない。近世以降,妙法山で銅山の発掘が始まるが,銅山の谷川が那智川に合流する井関地区から下流域に銅鉱害による被害を及ぼしたこともあった(旧県誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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