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夏山
【なつさ】


東牟婁(ひがしむろ)郡太地(たいじ)町の飛地で,同郡那智勝浦町の二河・湯川・勝浦に接する地域を呼ぶ。太地町太地字常渡と森浦湾を隔てて相対する。太地における和田家一族の発祥の地で,その所領として支配を受けた。鎌倉期和田の乱の後,朝比奈三郎義秀が南海に逃れる途中海難に遭い難塞(なんさい)に漂着したといわれ,「なんさい」が転化して「なつさ」となり,夏山と書くようになったという説,夏山は地形上東・西・北の三方が山に囲まれ,南に海を望んで陽当たりがよく,冬でも寒さ知らずの土地なので,夏山と書くようになったという説がある。また,和田氏が捕鯨の漁閑期の夏に鯨船乗組員を当地に行かせて田や山の仕事をさせたので,夏山と書くようになったともいわれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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