100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

二里ケ浜
【にりがはま】


和歌山市の北西部,磯の浦から紀ノ川河口まで約6kmの砂浜海岸をいう。紀ノ川は古くは現在の土入(どうにゆう)川の方に迂回してさらに南流し,水軒川に沿って大浦へ流出していた。そのころ磯の浦から南方へ砂州が発達し,現在の水軒浜まで続いており,その長さが二里(約8km)に及ぶところから当浜名がついた(続風土記)。ところが元和5年ごろの大洪水により紀ノ川は二里ケ浜の砂州を突っ切って現在の河口青岸へ流出した。以来河口から北側を二里ケ浜と呼び,さらに磯脇から加太へかけての岩石海岸を磯の浦と呼ぶ。当浜は白砂青松の遠浅海岸で,沿岸漁業も営まれていたが,昭和17年,紀ノ川河口北岸湊御膳松一帯に住友金属和歌山工場が建設され,以来和歌山北港および工場の相次ぐ拡張により河口から約5kmが埋め立てられ砂浜はなくなり,現在一般に磯の浦海岸と呼ばれている砂浜海岸約1kmがわずかに往時の二里ケ浜をしのばせ,海水浴客やサーフィンを楽しむ人たちの憩いの場となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7172963