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果無山脈
【はてなしさんみゃく】


和歌山県・奈良県境を東西に走る連山をいう。広義の果無山脈は田辺市から北東に向かい西牟婁(にしむろ)郡と日高郡の境を走る虎ケ峰山脈を含み,和田ノ森から方向を東に転じ,一直線に熊野川の七色に至る80kmの長い山脈である。狭義には,果無道の名で知られる。和田ノ森(1,049m)・安堵山(1,183.7m)・黒尾山(1,235m)・冷水山(1,261.9m)・石地力山(1,139.5m)の連山を呼び,奈良県十津川村と東牟婁郡本宮(ほんぐう)町,西牟婁郡中辺路(なかへち)町の境を東西に18km連なる。この連山は山頂平坦面が直線状に続き峰続きの道は比較的歩行が容易であったことから,高野山と熊野本宮大社を結ぶ参詣道として早くから開かれ,また江戸期から大正末期ころまでは日高奥地と奥熊野を結ぶ最短路としても利用された。行けども行けども果てなく山道が続くことが果無道の由来で,山名も果無道から生まれたらしい。昭和46年和歌山国体登山部門のコースとして整備されたが,その後利用者もなく荒れている。地質は中生代日高川層群丹生川層に属する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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