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水呑峠
【みずのみとうげ】


西牟婁(にしむろ)郡大塔(おおとう)村にある峠。旧鮎川村と旧富里村の境にある。標高474m。西側は富田(とんだ)川水系小川(こがわ)の谷で,東側は日置(ひき)川水系竹ノ又川の谷である。峠下の水呑隧道は林道として大正期からあり,徐々に改修されたらしく,昭和34年に県道下川上牟婁線となった時には全長243.6m,車道幅3.2mであった。同56年9月には隧道の下方に全長585m,車道6m,歩道1.5mの新水呑隧道が完成し,富里から鮎川,さらには田辺市方面への交通問題が解消された。地名は,伝説によれば,昔,大岡弾正が正月2日の書初会の際,文字の吉凶から僧と論争した挙句に刀を抜いた。僧は逃れてこの峠まで来て水を飲んでいたところを,追ってきた弾正に殺害されたことにちなむ。このほか,大塔宮護良親王にまつわる伝説もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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