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湯川川
【ゆかわがわ】


有田(ありだ)郡清水町を流れ,有田川に注ぐ2級河川。延長約14km,河川箇所表による総延長8.23km。清水町と奈良県との県境,笹ノ茶屋峠付近に源を発し,西流して大字上湯川で足谷・風呂の谷・中股谷川を合わせ,大字下湯川で下津股谷・徳田谷を加え水量を増して北西に曲流し,清水に至り本流有田川に注ぐ。流域は森林におおわれ,県境沿いの高野竜神スカイラインに近い源流付近は上湯川とも呼ばれ,平家の落人伝説を残す。一帯には京都大学演習林が広がる。演習林の一部にコナラ・ミズナラ・ブナの原生林が残されているほかは,国有林を含めてスギ・ヒノキの造林地となり,保安林に指定され,高野竜神国定公園に属する。白馬山脈の北斜面に当たる中股谷川や下津股谷川の国有林は,かつてモミやツガにおおわれた原生林であったが,第2次大戦後に逐次皆伐され,昭和30年代から植林された。ほぼ同じころ,民有林も雑木林が切り開かれ,スギ・ヒノキの造林が行われた。民有林の多くは業者たちによって大規模に経営され,地元が所有する山林の規模は零細で山村の過疎化に拍車をかける結果となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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