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竜門山地
【りゅうもんさんち】


紀伊山地の1支脈をなし,紀ノ川南岸を東西に走行する西南日本中央構造線以南の外帯最北の山地。伊都(いと)郡九度山町・かつらぎ町,那賀郡那賀町・粉河(こかわ)町・桃山町・打田町・貴志川町・岩出町,および和歌山市と1市8町に連なる。九度山町西方の雨引山(504m)付近から西走するが,大槌山(683.5m)など600m級の山により天野盆地を囲む。麻生津(おうづ)峠(526m)で那賀郡に入り,高度を増し,飯盛山(745.7m)に続き,竜門山(756.6m)が主峰をなす。それから勝神(かすかみ)峠(436m),最初峰(285.2m)と連なり,西に向かうとともに漸次高度を落とし,貴志川断層によりいったん切断される。再び紀ノ川・貴志川合流点西方の御茶屋御殿山(278.7m)へ続くが,これ以西の和歌山市域では,200m台あるいはそれ以下の低い山地や孤立丘陵となり,和歌山城の基盤の虎伏山,紀三井寺のある名草(なぐさ)山,さらには和歌浦丘陵などに続く。山地の地層は,主峰の竜門山は蛇紋岩で構成されるが,おおむね古生層の結晶片岩からなる。この結晶片岩類は長瀞(三波川)変成帯を形成するうちでも,三波川層に属し,紀伊半島でこの変成度の高い三波川層が存在するのは,大体この山地部分に限られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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