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稲葉山
【いなばやま】


県の東部に位置し,鳥取市と岩美郡にまたがり扇ノ山の北西山麓にある標高249mの山。広義には,稲葉山を中心に200~300m程度の丘陵地(稲葉山面という)を指すことがある。古くは稲羽山とも書き,俗称宇倍野山・上野山ともいい因幡の国守在原行平の「立別れ稲葉の山の峰に生ふる松としきかば今かへり来む」は百人一首で有名。昔は山全体に松が繁っていたが,池田長吉(備中守)により鳥取城建設の時伐採されて以来,入会山として採草地になっている。第2次大戦前は鳥取連隊の演習場ともなっていたが,大戦後開墾地に指定されて,田畑に開拓された。山麓に二十世紀梨が栽培され山腹には上野の三度栗で知られる栗林がある。稲葉山の一部である岩美町唐川の東南約500mには1haにおよぶ湿原があり,ここに天然記念物のカキツバタの大群落がある。また,高原の一部にはゴルフ場も造られている。春はワラビ狩り,秋は名物三度栗拾いと鳥取市民のハイキングコースとなっている。因幡の一の宮さんで知られる宇倍神社は稲葉山の東南の山腹にあり,近くに伊福吉部徳足比売の蔵骨器が出土した墓跡および鳥取藩主池田家歴代の墓がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7174288