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打吹山
【うつぶきやま】


古城山・城山ともいう。倉吉市街の南にある山。標高204m。倉吉市のシンボルでもある。山体は,新生代末期に噴出した流紋岩からなる。当山は原生林に近い樹木相を残しており,シイの大木を主体とした極相に達した地域と,極相に移行中の地域で構成されている。山名の由来は「伯耆民談記」に昔天女が降臨して田夫に羽衣をとられ,天へ帰れなくなり田夫の子を設けたが,ある時羽衣を得て天へ帰った。子供が悲しんで思い慕うのあまり天女が好む伎楽を演奏したので,打鼓吹籥の意味から打吹と名付けられたと記されている。旧久米城跡を中心に改造し,明治37年に打吹公園が造られた。小径がうっそうたる老樹の間を回遊した自然公園としての名園である。数百本のサクラとツツジが植えられ,花盛りの季節は山陰地方随一の名所となっている。山頂からは眼下に倉吉平野・天神川・日本海を一望のうちにおさめることができる。公園内には長谷寺の史跡および光格天皇の生母大江磐代君を祀る大江神社がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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