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大鹿滝
【おおがだき】


千代(せんだい)川水系八東(はつとう)川支流の1級河川である来見野(くるみの)川上流の滝。八頭(やず)郡若桜(わかさ)町諸鹿(もろが)地内から約5.0km上流で,広留野高原東麓にあたる。高さ約24m・幅3m・滝壺直径26m。滝壁面は上下異なった岩石からなっており,下部4分の3程度の基盤部分は比較的軟らかい第三紀火山細屑岩類(凝灰角礫岩),上部4分の1は扇ノ山山系の硬い安山岩溶岩からなる。このため,下部の軟らかい礫岩は浸食に弱いため深く削り込まれ,硬い上部の安山岩の部分がみごとなオーバーハングになって,狭い滝口から勢いよく飛び出した豊富な水は,深い滝壺の中央に直接,豪快に落ち込みその轟音は周囲のブナ原生林に響きわたる。滝の裏側は人が楽に歩ける状態である。この滝はまた,滝の後退の見本でもある。滝の下流側に現在の滝壁面と同じような断崖が残っていることから,下部の礫岩がさらに深く浸食されると,その上の硬い安山岩が崩れ落ち,そのため滝口が上流側へ少しずつ移動したと思われる。滝のスケールはあまり大きくはないが,特色ある滝の地形や訪れやすい点などから,諸鹿七滝の中で最も良く知られている。コースは諸鹿―八丁坂―広留野高原―大鹿滝へ徒歩約2時間,または八東町富枝―細見谷―広留野高原まで自家用車,さらに徒歩約20分の2つがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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