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金ケ谷山
【かねがたにやま】


日野郡江府(こうふ)町と岡山県真庭郡新庄村の県境にある山。標高1,164m。大山(だいせん)鏡ケ成より南下する鳥取・岡山県境稜線上の一峰である。朝鍋鷲ケ山より毛無山へと続く連峰に含まれ,山としての独立性は小さい。しかし,大山あるいは米子方面より東南方に遠望した場合,比較的明確にそれと指摘できる形をもっている。北面の江府町俣野側は700m余の比高を有して険しく,南面は緩斜して比高も小さい。北面中腹以下はミズナラ・コナラ・ブナの二次林とスギ造林であり,山頂付近と稜線部にはブナ原生林が小面積残存する。このブナ林の林床はチュウゴクザサで,チシマザサ林床をもつ裏日本深雪山地の指標となるブナ林(ブナ―チシマザサ群団)がこのあたりから変化して西部中国山地型のブナ林へと移行する。県境稜線上を毛無山へと縦走する登山道が開かれているが,岡山県によって設けられたもので,本県側より直接この山頂へ向かう道はない。なお,江府町俣野ではこの山を朝鍋山といい,朝鍋鷲ケ山を金ケ谷山と呼んでいる例があるという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7174834