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河合谷高原
【かわいだにこうげん】


岩美郡岩美町と国府町にまたがり,兵庫県境近くに広がる高原。標高900m・面積800haに及ぶ。扇ノ山のふもとの一部で火山山麓斜面である。この高原は,扇ノ山が第三紀鮮新世から第四紀洪積世にかけて噴出した溶岩が数回にわたって流れ形成した溶岩台地で,岩質は安山岩からなる。河合谷高原一帯から南の山岳,氷ノ山・沖ノ山・那岐山に至る地域は,近年ハイカーたちの注目するところとなってきた。高原へのルートは,国府町雨滝集落と岩美町鳥越集落から登る道がある。春は高原一帯にウド・ワラビ・ゼンマイなどが群生し,夏は深緑のもと天神池湖畔でのキャンプ,秋は紅葉,冬は高原から扇ノ山・氷ノ山のスキーツアーと四季を通じての自然を楽しむことができる。高原からの眺めは雄大で,東に但馬の山々,北に浦富海岸・鳥取砂丘・鳥取市街,西には湖山池,遠く大山(だいせん)を望むことができる。高原地帯にはリンドウ・キリンソウ・ムラサキシキブ・ウメバチソウ・イワウチワなどの草花や,ヒメモチ・ウコギ・ブナ・ミネカエデ・ウリハダカエデ・イタヤカエデ・ホオなどの自然林が美しい。藩政期には鳥取藩の武士が,国境警備の任についていたこともある。大正初期から昭和20年頃まで,牧場として乳牛が放されていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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