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久松山
【きゅうしょうざん】


鳥取市の東北,市の背面に位置する独立峰。標高264m。旧鳥取城跡として一名城山ともいう。山名の由来は不詳だが,「稲葉民談記」に「其(ノ)比山名中務大輔豊国ハ,鳥取久松ノ城ニ在城シテ……」とあり,久松の名が見える。山体は中生代に貫入した花崗岩類で,当山の花崗岩が貫入した後,日本海側一帯の火山活動によって凝灰岩が堆積し,当山の西側山麓の一部や当山の尾根続きの雁金山の北側山麓にみられ,円護寺石と呼ばれている。当山は市街地に近く,シイ・カシを中心とした常緑広葉樹の原始林がよく保存されており,独特の植物景観をもつ名山である。キマダラルリツバメや,ヒサマツミドリシジミは有名である。久松山は鳥取城跡として昭和32年に国史跡に指定され,山城の典型的遺跡として保存されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7175062