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くらます
【くらます】


八頭(やず)郡若桜(わかさ)町吉川の東にそびえる山。標高1,282m。地元では天狗岩という。中国山地としては有数の標高をもつ山であるが,東山と三室山に挾まれる位置にあるため目立たない。八東川支流の加地川と吉川川が山を挾んで東西に谷を刻み,主稜線は南北に走る。東西いずれの側も700~800mの比高を有する急斜面で,山体は険しい。山頂を含めて主要部は流紋岩類。山頂三角点のすぐ南に,板状節理を有する巨岩が群立し,当山の特徴となっている。東面はスギの造林とブナ・ミズナラの若齢樹を主とする夏緑二次林。西面はかつて中腹以下がススキ草原であったが,コナラ・クリ・シダ類の二次林となり,上部は,急峻なために,シナノキ・ミズメ・カエデ類・ミズナラなど樹種の多い夏緑林。露岩部はヤマツツジ,イヌツゲ,ツノハシバミ,ダイセンヤナギ,アカモノなどの密生する低木林。山頂への道はない。展望は広くはないが,周囲を深い山々に囲まれて,中国山地の核心部の観がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7175148