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孝霊山
【こうれいさん】


高麗山・瓦山とも称する。西伯(さいはく)郡大山(だいせん)町佐摩の西側にある山。標高751.4m。大山系火山群の1つ。基盤岩類を貫いて南北に走る弥山―孝霊山構造線上の北端に噴出した火山円頂丘で,岩質は紫蘇輝石角閃石安山岩よりなる。弥山・三鈷峰とほぼ同時期に形成されたものであろう。山頂には古代の祭祀跡,中腹には巨大な磐座(山の神)があり,山麓には湧泉信仰の池(大清水)が数か所と,信仰の対象の遺物も多く残り,山麓一帯には縄文・弥生・古墳時代の遺物や遺跡が数多い。昔,韓の国の神が朝鮮半島から,山の背比べにと,はるばる韓山(からやま)を運んできたが,雲間にそびえる大山をかいまみて驚いて置いて帰ったのが孝霊山となったという伝承があり,周辺には大陸からの渡来者が多く住んでいたと推察される。また孝霊天皇の御幸の伝説もあり,山名が残ったと思われる。孝霊天皇にちなんだ高杉神社は佐摩の北,宮内地区にある。鍋山とともに採草地としての入会地の記録は残るが,近年では植林が進み,草地は残っていない。頂上付近は草本類で占められるが中腹より麓までは植林が進んでいる。山頂には電電公社のマイクロウエーブの塔が設置,長田から山頂への自動車道路も通り,手軽にハイキングが楽しめる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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