100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

甑山
【こしきやま】


越敷山とも書く。岩美郡国府町宇倍野平野の北端,稲葉山の南端に突き出した山。標高100m。因幡(いなば)三山の1つ。山名の由来は,形が甑に似ているからだといわれているが,昔,武内宿禰が当地を征し,この山に甑をすえ,鳥取市大桶に鍋をすえ因幡平定の布石と祭祀されたと伝えられている。山頂には,南北朝の建武4年足利尊氏の派遣した平貞泰が,また永禄~元亀の間は山中鹿介が城主であった甑山城があった。天正元年鳥取城代武田高信が甑山城に山中鹿介を攻めたが,逆に敗退した「たのも崩れ」の話は有名である。甑山は新生代第三紀の鳥取層群を基盤とし,その上を黒色緻密な安山岩が覆っている。鳥取層群の晋含寺泥岩層からは動植物の化石が多産しており,当山周辺の泥岩層からは魚類・貝類・甲殻類などの新生代中新世の化石が採集できる。当山裏の通称「オッタニ」に鷺山装飾古墳がある。横穴式石室であるが,山腹をうがって自然石を積みあげ玄室の奥壁に長さ1~2mの魚が線刻されている。その傍の石に舟がかかれている装飾古墳で,昭和41年に発見された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7175276