100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

三鈷峰
【さんこほう】


西伯(さいはく)郡大山(だいせん)町にある山。標高1,516m。大山系の嶺々の東端に位置する。主峰弥山より東へ連なる縦走路(尾根)に沿って,約3kmにある三角錐状,険峻で孤高をなす峰。新期大山火山活動期に形成された火山円頂丘で,紫蘇輝石角閃石安山岩よりなる。流理構造が見られる上,節理が縦横に発達するもろい岩質に加えて,風化の激しい山体の北面は,断崖絶壁をなす。大山寺から見る三鈷峰は険しい山容を呈し,山頂からは大山の豪壮な北壁が一望される。三鈷峰は古来より霊場の1つで山伏達が三胡の岩屋と仰ぎ,正面の弥山に対座して修行したという岩場で,金剛蔵王を祀り7日間の回峰行も行われたと伝えられる。山名の由来は金剛蔵王のかざす三鈷杵から由来したものであろう。山頂付近はダイセンキャラボクの群落が発達し,クガイソウ,シモツケソウなどの高山植物が広く分布し,6~7月頃に一斉に開花する。三鈷峰の手前,鞍部はユートピアと呼び,花畑の中に県営避難小屋も建てられ登山者の憩の場となっている。元谷から宝珠越え,大休峠越え,地獄谷からのコース,縦走路からのコースとすべてこのユートピアに登山者が集まる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7175443