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高城山
【たかしろやま】


倉吉市街の西,国府川と北谷川の両谷に挾まれたところにある孤立峰。標高193.6m。中世,この山に福積高城(立縫の動士城)が築かれた。「伯耆民談記」によると,「国府伯耆親俊ガ居城ナリ,大永ノ乱尼子経久西伯耆ヨリ攻来ルト聞キ狼狽シ戦ハズシテ走ル,之レヲ称シテ唯落ノ城ト云フ」とある。また「和名抄」によると,この付近は久米郡立縫とあることから,当時は楯縫部の人々が居住していたものと思われる。山名は城に由来する。大正6年山麓付近の福米村・西志村・東志村が合併した際,山名にちなんで高城村と名付けられたが,昭和28年10月1日倉吉市に合併され山名だけが残った。地質は花崗岩からなり周辺は大山(だいせん)凝灰角礫岩で囲まれる。山頂から西方に大山の裾野・東壁を望め,キャンプ場も整備されている。山麓には住居跡を中心とする遺跡が数多く発掘され,また東麓には温泉の徴候がある。当山は明治43年頃銀鉱山が開発されていたが,第2次大戦中にはモリブデン鉱山として再開発された。鉱床は花崗岩中のモリブデン石英脈で,現在は閉山されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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