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頭巾山
【ときんざん】


「とっきんざん」と発音され,また三角山(みすみやま)ともいう。八頭(やず)郡用瀬(もちがせ)町用瀬の東にそびえる山。この地方には珍しい鋭角的な岩峰で,山頂に三角山神社が鎮座する。山名は形が頭巾に似ることから名付けられたものであり,特異な岩峰なるがゆえに修験道の対象となったものであろう。三角山については,社伝に,猿田彦命がこの山に住んだことがあり,御栖山(みすみやま)と称したのを後に三角山と訛ったという(県神社誌)。用瀬より参詣のための道が山頂に通じ,山麓には垢離場と女人堂が現存し,かつては女人禁制の山であった。山頂は狭く,三角山神社の社殿があり,展望絶佳である。「因幡志」に「願の成就した人が小石を手向けて報賽する」とあるが,社殿周囲には明らかに山麓の河原より運んだとみられる大小の円礫が数多く敷かれている。山頂部にはヒノキ・アカガシ・ヤマグルマなどが自然植生の名残をわずかにとどめているが,大部分はミツバツツジの多いアカマツ林である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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