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鳴滝山
【なるたきやま】


八頭(やず)郡智頭(ちず)町と若桜(わかさ)町の境にある山。標高1,287m。智頭町八河谷(やこうだに)の八河谷川の源流にある山で,八河谷川の遷急点として鳴滝と呼ばれる大きな滝があり,その上流一帯を鳴滝国有林と呼ぶ。東山(とうせん)・沖ノ山を中心とする花崗岩山地の一部分をなす。北・東面は糸白見川の源流でスギ造林化され,西面の八河谷奥(鳴滝国有林)もほぼ伐採されてスギの幼齢造林地となっているが,山頂より西南に走る尾根の南面,北股川の上流である大川の右岸一帯は深い原生林が残存し,本県においてもっとも原生的様相を保った森林の1つとして知られ,県による買上げが進められて,その保護がはかられている。芦津原生林と呼ばれるもので300ha余の面積を有し,ブナのほか,天然生スギの群落が稜線部に発達し,ミズナラの巨木を多く混え,渓畔部のトチノキ・サワグルミ林の発達が著しいことなどの特色があり,大山(だいせん)とは違った,荒々しい原生林といった感じを与え,本県におけるツキノワグマ生息地の中心でもある。山頂に至る道は開設されていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7176302