100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

南光河原
【なんこうがわら】


西伯(さいはく)郡大山(だいせん)町大山寺の金門から大山寺橋までの0.5kmの河原。河床は大山北壁から転落した大小の転石で埋まり,平素はこの河床礫の下を伏流水が流れる。豪雨時は激流により河床礫が激しく移動し,大山寺橋の橋脚をよく壊したが,堰堤がつくられてからは被害が少なくなった。この南光河原からは南に大山北壁,北に日本海を望むことができ,四季を通じて変化に富んだ景色を楽しむことができる。冬期はスキー場としてにぎわう。名称の由来はかつての寺領に求めることができる。山岳仏教が隆盛を極めた平安期には僧兵3,000人を擁したという。僧兵の勢力は大山寺本堂を中心に中門院,阿弥陀堂を中心に西明院,南光河原左岸に南光院の3派があり,機に応じて主導権争いを展開した。南光河原はこの3派のうちの南光院のあった場所ということでその名が現在に残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7176312