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日光池
【にっこういけ】


気高(けたか)郡気高町にある池。流入河川が小さくて埋積作用が進まず,砂丘の発達により湖となった旧潟湖で,周囲5kmほどの池であった。天正16年,鹿野城主亀井茲矩が埋め立てて300石の新田を開き,さらに正徳~寛政年間に16町歩が干拓されて池はまったく姿を消した。現在,夏期は40馬力の排水ポンプと潮樋門による排水によって水田となるが,冬期は周囲2km・南北1.7kmの細長い池となり,この池を山陰本線が東西に走る。寛政7年の「因幡志」には「気多郡八幡郷にあり。本名国沼郷内にて此処を灘波の磯佐与利の湊,或いは鹿奴の浦とも伝えたり」とある。「日光池の大蛇」という干拓にまつわる伝説もある。国道9号を挾んで反対側に浜村海岸の砂丘が続くが,道路脇の土壇には亀井茲矩の干拓事業を記念した顕彰碑が松林に囲まれて建ち,この地がかつて池であったことを物語る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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