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穂見山
【ほのみがせん】


八頭(やず)郡智頭(ちず)町中央部にある山。標高977m。山名は穂見集落の背後にそびえることに由来する。当山はほぼ南北に走る主稜線を有するが,これを境として東面および北面と西面とで地質が異なり,それが地形と植生および土地利用に明らかな違いをあらわしている。東・北面は深く開析された谷が発達し,スギの造林で覆われ,智頭林業の中核をなす地域。これに対し西面は,稜線直下は急斜するものの谷の発達は悪く,かつて全山採草地で,中国山地特有のススキ草原が山肌を埋めていた。現在では,火入れの停止とともに,コナラ・クリ・アカマツなどの低木林~亜高木林が侵入成立して急速に植生は変化しつつある。東面に造林のための道が中腹までいくつか上っているが,山頂に至る定まった道はない。西面山麓緩斜面の一部は第2次大戦前の一時期穂見スキー場であったが,現在はほとんど利用されていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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