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桝水高原
【ますみずこうげん】


日野郡溝口町にある高原。大山(だいせん)の激しい爆裂による火山放出物や,中央円頂丘形成時に流下した火砕流が形成した広大な裾野原のうち,主峰弥山の西,標高300~800mに広がる高原状原野を桝水原と呼び,桝水高原はその一部の標高700~800mの地域を指す。桝水原は清山川により2分され,その北側は水無原と呼ばれる。「ますみず」は桝水とも真清水とも書く。この高原の大山道のたもとに1m(^2)ばかりの清水をたたえる池があり,大山詣りの旅人や農夫たちは真清水と呼んで乾いた喉をうるおしたといい,また年中その水量が変わらず桝で測ったように湧くところから「ますみずさん」と呼んだ。元禄9年の春,水が涸れているのに驚き畏れていたところ,2年続きの大凶作に見舞われ,多くの死者を出し,それ以後,池の水が減ると凶作になると伝えられ,人々は1合桝に柄をつけて供え四季の運行の順調と豊作を祈り祀った。享保17年5月岡山県美作の行者宗直がこの池を石で囲み,桝型を整え石の地蔵菩薩を彫って供養し,衆生への慈悲を祈願したが,これが現在も渇水期を前に盛大に行われる大山地蔵祭の由来でもある。大山寺集落の西約3km,正面にコニーデ型の秀麗な大山を仰ぐ桝水高原は,スキー場として開かれ,リフトやキャンプ場があり,スキー,ハイキングや高原の散策が楽しめる。桝水原は水が豊富で展望もよく,保養地として発展,四季を通じて観光客でにぎわうレクリエーション地区で観光大山の第2の拠点となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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