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御冠山
【みかむりやま】


「みかんむりやま」ともいい,高山(こうのやま)とも呼び,山とも書く。東伯(とうはく)郡の東郷池東北岸の台地上にそびえる冠状の山。標高186m。山名の由来はその形による。第三紀末に噴出した安山岩よりなる溶岸台地に由来する。山麓に伯耆(ほうき)一ノ宮の倭文神社がある。「伯耆民談記」に「倭文神社鎮座の山は,東郷の湖上御冠山と号す。斯く称することは,社殿は麓に有る山嶺社上に聳へたる故に,御冠山と号するとかや。俗に宮内山と云ふ。氏子の人禽獣の肉を食はず,押て食する時は,忽ち病脳を発するといふ。懐妊の女臨月に及ぶといへども腹帯を用いることなし。是れ当社の神秘なるよしに伝ふ」とある。国宝となっている伯耆一ノ宮経塚出土品も,この山麓から出土した。天正9年鳥取城救援のため東進を続けていた毛利氏の武将吉川元春は,御冠山の北方の馬ノ山に着陣し,馬ノ山を見下ろす御冠山に着陣していた豊臣秀吉勢と戦った。山頂からは,西は東郷池を見下ろしつつ大山を望み,東は海に迫まる山並を見晴らす好展望地点である。山麓は二十世紀梨の主産地。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7176976