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三国山
【みくにやま】


「みくにがせん」ともいう。八頭(やず)郡佐治村・東伯(とうはく)郡三朝(みささ)町と岡山県上斎原村の境にある山。標高1,252m。山名は因幡(いなば)・伯耆(ほうき)・美作3国の境にあることに由来する。当山を中心とした一帯は,花崗岩(西部)と三郡変成岩(東部,いわゆる佐治石もこれに含む)の基盤の上に,安山岩が被覆して東西15km・南北5kmに及ぶ山塊を形成し1,000~1,200mの形状のピークが連続している。当山は山塊中の最高峰。昭和40年頃までは佐治村・三朝町側とも広大なブナ原生林に覆われ,特に東面の山王谷国有林は学術的価値も高かった。三国山林道の開設に伴って伐採され,現在では稜線部のみに残存する。風衝的植生は発達せず,山頂稜線までブナ林に占められるため,展望はよくない。山地の周囲の谷は深く刻まれ,谷中には急流や滝が多い。登山道は三国山林道より通じているが,三角点に至るもので,真の三国山へは達していない。近年佐治村により青少年旅行村の一環として,ハイキングコースとしての整備が企図されつつあるが,原生林皆伐,林道開設のため景観をそこねている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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