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美歎水源池
【みたにすいげんち】


岩美郡国府町美歎にある水源池。大正元年9月着工,同4年10月26日竣工。この竣工式は松江市に先立つこと3年,米子市に同11年,山陰道における近代上水道の草分けであった。「鳥取市水道六十年史」によると,場所は岩美郡宇倍野(うべの)村大字美歎村(現在の国府町美歎)とあり,貯水池面積2万4,730坪6合(8万1,666m(^2))・深さ平均20尺9寸7分(6m)・容積1,867万1,190立方尺(51万9,544m(^3)),工費総額50万5,866円(国庫補助12万7,000円・県費補助5万円)。共用栓は最初全市を通じて約70個で約50戸に1か所の割とし,約100mの間隔を置いて設置された。ただし,共用栓付近での洗濯や炊事準備は禁じられ,使用者は水を汲んで家に運び入れた。しかし竣工式からわずか3年足らずの大正7年9月14日夜,水魔の猛威の前に,堰堤は約55mにわたり根底から崩れ落ち,美歎に大奔流が殺到し,民家10戸・土蔵5棟が流され死者8名を出した。市は翌8年7月復旧工事に着手し,貯水池面積8万2,569m(^2)・有効水深13.3m・有効貯水量52万7,984m(^3),高さ27m・延長103m・頂幅2.4mの石堰堤が工費総額50万8,853円で完成,大正11年12月落成。やがて市人口の増加に伴って美歎堰堤のかさ上げ案が生まれたが地元の反対にあい,新水源地として国安水源地・叶水源地が新設され現在に至っている。昭和49年度年間送水量は126万1,660m(^3)となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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