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湯山池
【ゆやまいけ】


岩美郡福部村にある池。かつての潟湖で,鳥取砂丘の東方,多鯰ケ池の北東約1.5kmに位置する。かつてこの地は出入りの多い海岸で,平野部一面は入り海であった。昔,神功皇后が敦賀の港から九州平定への途中,この湾に船を入れたが島に囲まれた良港だったと伝え,さらに「因幡志」には「上池(かみいけ)という周囲50町あり,裏海の残れるに水門の址,今にあり」とある。砂丘と南側の摩尼山に囲まれた当地域は縄文・弥生時代の石器・土器が出土している。文久2年宿院六平太義般は湯山池干拓事業を藩主に訴え,許可を得た彼は兵庫県生野銀山から坑夫を連れ帰り多鯰ケ池から湯山池まで212間(約400m)のトンネルを完成させ,その水流を利用して砂を流し,ついに池を干拓した。現在は江川が流れ,海士(あもう)・県(あがた)集落を通って箭渓川,さらに塩見川となって海に注ぐ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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