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青野山
【あおのやま】


鹿足(かのあし)郡津和野町の旧津和野町の東部にそびえる白山火山系に属するトロイデ式火山。標高907.6m。丸くやさしい形をしているので古来妹山(いもやま)の別名がある。周囲に小青野などの美しい寄生火山もあり,この山を中心にし津和野城山とともに青野山県立自然公園に指定されている。中腹は「あおのがわら」と称し,幕末には藩兵の調練場になったこともあり,現在はキャンプ場・スキー場となり,最近津和野からここに通ずる自動車道もできた。ところどころ風穴があり,明治・大正期蚕卵紙を貯蔵したこともある。山腹の集落笹山(ささやま)には清洌な清水が湧き出て,近世より近代にかけて津和野から柿木(かきのき)方面への往還の人々の憩いの場所ともなり,そこのトコロテンは有名だった。今はこの水は津和野の上水道に利用されている。山頂に祀る山王神社は古来雨乞祈願・虫祈祷に霊験あらたかであると近隣の人々の信仰を集めた。山には火山灰土のほか輝石安山岩があり,山上の安山岩はたたけばよい音色を出す。植物では大山細葉柳やリンドウ・ウメバチソウなどがあり,秋に白い可憐な花をつけるウメバチソウは詩情をそそる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7177482