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朝日山
【あさひやま】


島根半島中部,宍道(しんじ)湖北岸の高峰で,松江市東長江(ひがしながえ)町と八束(やつか)郡鹿島(かしま)町佐陀(さだ)本郷との境界の山である。古くは神名火山(かむなびやま)といった。標高341.8m。「風土記」秋鹿(あきか)郡の条に,「神名火山。郡家の東北九里四十歩なり。高さ二百三十丈。周(めぐ)り一十四里あり。謂わゆる佐太大神(さだおおかみ)の社(やしろ)は,即ち彼その山の下(ふもと)なり」とある。佐太大神の社は現在の佐太神社であり,その後方の小山をあてる説もあるが,この山も,神名火山の一部と考えられている。朝日山は,この地域の雄峰である。山頂に金宝山朝日寺がある。朝日寺は奈良期,行基菩薩の創立,弘法大師の中興と伝え,真言宗大覚寺派に属す。出雲巡礼二十九番の札所である。眺望絶佳,前面に湖の景を見渡し,南は中国山脈の山々,西は簸川(ひかわ)平野,東は中海(なかのうみ)を隔てて伯耆(ほうき)大山(だいせん)を仰ぎ,北方は眼下に日本海を見下ろし,海上はるかに隠岐島が浮かぶすばらしさで,宍道湖北山県立自然公園の範囲内。登山・参拝者が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7177544