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上ノ台山
【うえのだいやま】


能義(のぎ)郡伯太(はくた)町大字赤屋の北西部から,大字峠之内(たわのうち)・横屋・高江寸次(たかえすんじ)にまたがる台丘で,最高の山は標高330mの日向峰である。上ノ代原(うえんだばら)ともいう。日向峰から200mの馬場谷にわたる谷頭,尾根にかなりの古墳がある。これを一括して上の台古墳群と呼んでいる。鈩原(たたらばら)などには鈩(たたら)の跡が多くある。大塚庄右衛門などによって開拓が行われ,公営による開発も進められた。牧場も営まれ,町内最高の井尻牛を養い,大正4年には111頭に及んだ。伯太茶の茶園も営まれている。赤屋の月坂からの登り道など平易で,台上からの眺めもよく,山茶や木の実も豊富で,行楽客に喜ばれ,町内小中学生の遠足地になっている。月坂は,古墳群の奥津城(おくつき)に参る坂の意味を都城坂(つきざか)と略称し,月坂と書くようになったという。赤屋は,上ノ台生活の頃に野鈩(のだたら)をこの付近で盛んにやっていたので,その火の床で家居が明るく見えたから明る家(あかるや)―赤い屋といったのに基づくという。あたかも広瀬町比田(ひだ)の坊床山(ぼうとこやま)がもとはホノトコ(火の床)であったと同様である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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